長崎で行われた記者会見における新型コロナウイルス感染症に関する安倍総理からのメッセージ

長崎で行われた記者会見における新型コロナウイルス感染症に関する安倍総理からのメッセージ

分科会で示された指標は、国や地方自治体が、感染状況や医療提供体制の状況等に応じて、政策実施の判断に活用するための目安として、提言されたものであります。地域ごとの医療提供体制など、それぞれの実情に合わせて、この目安を参考に総合的に対策を講じていきたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症の患者さんの皆さんの状況を見ますと、入院治療や施設療養等が必要な方々のうち、重症者の割合は1%程度にとどまります。60歳以上の場合は、3.7%に上昇します。また、これまでに、お亡くなりになられた方々の約8割が70歳以上となっています。
こうした状況を踏まえますと、高齢者の方々や基礎疾患のある方々への感染防止の徹底や、感染された場合の早期発見・早期治療を行っていく、このことが最も重要であることについてはまずはご理解をいただきたいと思います。
その上で、現在の状況を見ますと、全国的に新規感染者の数が増加し、その人数だけを見れば、4月の緊急事態宣言時を超えている状況にはありますが、3月や4月の頃と比較しますと、例えば、4月末には328名であった重症者が足元では140名となるなど、もちろん、このところの増加傾向に対しては、十分に警戒する必要があると考えているものの、感染者数の増加に対して、入院や、重症化する方々の割合は低い状況が続いています。
感染者と特定される方の数が増加している背景には、検査体制が大幅に拡充してきたことも大きいと考えています。PCR検査能力は、最近では一日約5万2千件まで大幅に向上しています。また、無症状の濃厚接触者等に対しても検査を拡充することにより、4月には約7千件であった実施件数も、最近では約2万件の水準となっています。
他方、こうした中で最も注意しなければならないのが医療提供体制の状況であります。この点、地方自治体のご努力もあって、その整備も進んできています。現在は2万2千床を超える病床が確保されており、とりわけ重要な重症者用については約2800床が確保されており、その占有率も、約4%程度と、低い水準が維持されています。
重症化予防のための治療の選択肢の幅も拡大しています。レムデシビルやデカドロンといった既に薬事承認を受けた薬に加えまして、アビガン、オルベスコ、フサンといった研究・治験の段階にあるものについても、それぞれの特性に応じて、医療現場では様々な治療法が用いられています。入院期間も、平均3週間程度であったものが、1週間程度まで、短縮をしています。
緊急事態宣言については、4-6月期のGDP成長率について、米国で年率30%以上、欧州では年率40%のマイナス成長となる中、わが国においても、民間エコノミストの予測では、年率換算で20%を超えるマイナス成長が予想されており、これはリーマンショックを上回る甚大な影響が見込まれています。
リーマンショック時には100万人を超える失業者が発生しており、雇用や暮らしに与える影響を考えれば、感染をコントロールしながら、できる限り、再宣言を避けるための取り組みを進めていかなければならないと考えています。この半年で得られた知見などをフル活用し、感染予防、重症化予防に万全を期しながら、社会経済活動と両立を図るという方針に変わりはありません。
しかしながら、地域によっては、重症者数が徐々に増加してきている現状も踏まえ、冒頭に申し上げたように、政府としては、高齢者や基礎疾患のある方々への感染予防等の対策を徹底したいと考えています。まずは、検査体制を更に強化し、陽性者の早期発見、早期治療を進めることです。特に、重症化するリスクの高い高齢者や、基礎疾患のある方々への感染拡大の防止に万全を期すため、病院や高齢者施設での検査を徹底します。
また、地方自治体とも連携して、病床や宿泊施設など、十分な医療提供体制の確保を早急に進めます。重症者の方々に対する治療に万全を期すため、無症状や軽症の方々で、重症化リスクの低い方々については、まずは宿泊施設等で療養していただくこととしたいと考えています。専門家とも相談しながら、これまでの医学的知見も踏まえ、入院や療養の必要な方々について、より明確な形でお示しできるよう検討を進めていきます。
今この瞬間も、現場の医療機関では、医療従事者の皆様が懸命に治療に当たってくださっています。改めて、心から感謝するとともに、政府としても、すでに2兆円規模の医療機関への財政支援を行っているところでありますが、特に、新型コロナウイルス感染者の患者への治療に日夜あたって頂いている医療機関等の状況を十分に踏まえつつ、必要に応じて更なる支援も検討したいと思います。
さらに、この感染症に打ち勝つためにも、国として治療薬やワクチンの開発と確保にも全力を挙げています。ワクチンについては、調達のための協議を着実に進めており、既に複数の企業との間で、ほぼ全国民に相当する1億2千万人分を上回る供給について基本合意を得ました。引き続き、十分なワクチンが供給できるよう、最大限の努力を行っていく所存であります。政府としては、このような感染拡大防止策を徹底しつつ、経済との両立も図っていく方針です。
ご質問にございました、GoToトラベルについても、ガイドラインの徹底など、観光事業者と旅行者の双方に感染拡大防止策を実施していただきながら、ウィズコロナの時代の安全で安心な新しい旅のスタイルを普及・定着させていきたいと考えています。
一昨日の7日には、依然として厳しい状況にある中小企業等を支援するため、持続化給付金や、個人向け緊急小口資金の特例貸付など、総額1兆円を超える予備費の使用を閣議決定いたしました。政府としても、感染予防を行いつつ、経済活動を行う企業に対して、引き続き、その状況を十分に踏まえながら、最大限の支援を行っていく方針であります。
まもなくお盆のシーズンを迎えます。5日に分科会より提言もいただいておりますが、国民の皆様に改めてお願いをしたいと思います。政府としては、帰省について一律の自粛を求めるものではありませんが、帰省に際し、3密を避ける、大声で話さない、といった基本的な感染防止策を徹底するよう、お願いいたします
特に、大人数の会食など、感染リスクが高い状況を控えるなど、高齢者等への感染につながらないように十分にご注意をお願いをしたいと思います。
そして、お尋ねの特措法についてでありますが、現場の地方自治体などから、様々なご意見をいただいています。政府としては、まずは、足元の感染拡大防止に向けて全力を挙げて取り組み、この事態が収束した後には、特措法がより良い仕組み、制度となるようしっかりと検討していきます。
大変難しい舵取りではありますが、再び緊急事態宣言を出す事態とならないよう、国民の健康と命、暮らしと雇用を守り抜くため、今後も必要な対応を速やかに講じていく考えであります。

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